SUVなんだから雪道に強いのは当然ではないか?と思われがちですが、車種によって様々性能が違います。
プレミアムSUVだから雪道でも悪路でも強いという訳ではありませんよね。
やはりその車が目指しているモノが何であるかが重要で高額な車でも悪路に強い走りを目指している志向性ではない場合もあります。
さて前置きはこれくらいにして雪道に強いSUVはどの車種か?を示していきます。
2016年段階ではスバルとマツダがオススメ
やはり現段階では、国産ではSUVに限らず全般的にスバルとマツダの4WD(AWD)が高性能です。
キーワードとしては電子制御の4WDであるというところです。
SUBARUのAWD概要
スバルと言えばフォレスターと(レガシィ)アウトバック、そしてXVが全車4WDとなっていて、明確に雪道に強い車種です。
共通しているのは「アクティブトルクスプリット式」という4WD方式で、フォレスターに関しては基本的には前輪60:後輪40という駆動力を配分していると言われるオール・ホイール・ドライブ(=ADW)であるという点です。ですから常に4輪駆動していますよという形にはなっていますね。
ただ常に全力で4WDである弊害としては燃費が非常に悪くなります。そういった点も考慮されていて、必要のない時にはなるべくFF車に近いトルク配分をすることで無駄のない走りができるというのも魅力です。
そしてアウトバックとフォレスターにはXモードが備わっていて、こちらをオンにするとエンジン、ブレーキ、ミッションの制御を上げて、危険を予兆した電子制御を実現します。簡単に言えば「滑る前に、滑らないように準備する」といったリアルタイムで悪路を察知して安全性を上げるという訳です。
XVはXモードがないところがマイナスですが、通常のAWD性能は高いのでそれ程心配は要らないと思われます。
※現行型3代目XVはXモードを搭載しました
マツダのAWD概要
こちらはi-ACTIV AWDですね。
マツダの場合にはCX-3、CX-5というラインナップですが、基本的には4WD車であればデミオ、アクセラ、アテンザも共通しているのでSUVでなくてはいけないという訳ではないと思います。※ただし最低地上高はSUVが高いのでスタックしにくいのでメリットが高いです。
マツダのAWDは最も新しく高性能であると言われています。
それは燃費性能と走行性能を両立した形で作られているから、というのがマツダの触れ込みですね(^_^;)
しかしこれは誇大表現ではなく、確かに新しく且つスバルにも劣らないようなAWDシステムだと言えます。
まず電子制御ですが、常に自動車が路面状況を監視して、27の信号を使って更に全後輪のトルクを演算して配分するという高性能振りです。運転していて何が起こっているのかは全く分かりませんが、とにかくマツダ車の4WDは走っている間でもドライバーのために「頑張っている」のです。
具体的に何をしているのかと言えば、スリップを常に予兆していて、スリップしないようにリアルタイムで自動車を制御しているという訳です。ちょっと違うかもしれませんが、常にXモードが働いているかのような状態であると例えられるかもしれません。
そして更に凄いのが、こういったリアルタイムの電子制御を行うと燃費が犠牲になる筈です。しかし今のマツダのADWはFF車とそう変わらない燃費性能を実現しています。
【→燃費差はこちらで確認してみてください、ディーゼル車は特にほぼ差がありません】
それは電子制御によって無駄のない走りをしているからでしょう。将来的には何とAWDの方がFFよりも燃費が良くなるとも言われています。最近のマツダの勢いはこういった車性能のこだわりにも現れているのではないかと言えますね。
スバルとマツダはどっちがいい?
雪道に強い国産の乗用車タイプのSUVと考えると、やはりスバルかマツダがオススメです。
普通に走るなら4WD性能は甲乙つけがたいライバルではないでしょうか。ただスタックしにくい雪国専用という趣がスバル車にはあると言えます。雪に強いのはズバリ言ってスバルでしょう。
もともとスバルAWDは東北電力の要望で開発されという経緯があり信頼性が高いです。
また問題としてはマツダ車が高いということもあるかもしれません。SUVに限って言えばマツダ車を買うならディーゼル車というところがあります。CX-5にはガソリン車がありますが、2.5Lですしどうせ買うならクリーンディーゼル車の方が…というのが大半なのでは?CX-3に限っては全車クリーンディーゼル車です。CX-5の場合は上位グレードですとコミコミで350万円以上とやや高額になります。
※CX-3は2017年現在はガソリン車追加になっています。
現実的に考えるとアクセラやデミオのAWDという選択肢もあります。
その点を考えるとコスパと言っては何ですが(^_^;)、スバルのお買い得度は相変わらず高いです。XVに至っては200万円前半台でアイサイト+AWDですから安いなと思えるくらいです。2WD車設定がないのも迷うところが無いので潔いです(笑)。
スタンバイ式4WD(ビスカスカップリング式)とは?
次に問題の?スタンバイ式4WD(ビスカスカップリング式)についてです。スバルもマツダもカテゴリー的にはビスカスカップリング式に入ると言えますが、その大きな違いはスタンバイ式は基本的にはFF車です。
こちらもいろいろとある(車種毎に微妙な違いがあり一概には言えない)のですが、ざっくり言えば「滑ってから4WDになる」といったものです。
・トヨタ→ハリアー、RAV4、ラッシュ、レクサスNXとRX
・ホンダ→ヴェゼル、CR-V
・日産→エクストレイル、ジューク等
※ただしエクストレイルは前輪50:後輪50に固定できるので本格的な部分があります。
・スズキ→ハスラー、新型エスクード、SX4 S-クロス、イグニス
・三菱→アウトランダー(※ガソリン車のみ)、RVR
滑ってからでは遅いだろ!と言わるかもしれませんが、雪国で舗装道路を走るなら別にこちらでも問題ありません。自分の場合はFFで長く走っていたこともありますし、走りだしたら要するに運転技術の問題になりますので余り悲観することはないでしょう。
スタンバイ式4WDを選択する意味とは
これはあると思います。というのも、走りだしてからはFF車に毛が生えたような性能と揶揄されることが多いのですが、発進時にハマらないということが肝です。
例えば駐車して、朝に発進しようとしたら動かないということが雪国ではあります。バックして勢いをつけて脱出することが解決策になりますが、バックすることすらできないで前輪が空転して動けなくなる場合がFF車ではあります。(※経験有り)
また上り坂の信号待ちは一番危ないです。信号待ちでは必ず自動車は停止しないといけません。急な坂で止まった状態から発進した際に前輪が空転して動けなくなることがあるのがFF車です。FR車(後輪駆動)もしかりです。
信号待ちの場合は後ろに車がいますからバックできません。こうなると後ろから押してもらわないと動けなくなりますよね。大渋滞の始まりです(^_^;)
またタイヤの問題もありますが、何でもない平地で発進時にFF車ですと前輪が空転することがあります。冬ですと信号待ちの度に凍結した路面の上で前輪が空転して上手く発進できなくて、恐い思いをすることがあります。信号待ち→発進の度にそういったケースになったこともありますので、雪国ではスタンバイ式の4WDでも重宝します。
ただ繰り返しになりますが、走りだしてからは基本的にFF車であるという認識が大事でしょう。車種によっては電子制御のアシストがある(ホンダ)ものもありますし、スノーモード(スズキのエスクードやSX4 S-クロス,レクサスNX,RX,三菱)や4WD固定の切り替え(日産エクストレイル,三菱)がある車種もあり、一概には言えないのですが、やはりスタンバイ式であるということは免れないと言えるでしょう。
ただ実際問題としては雪国でもFF車のプリウスやアクアで問題なく走っている人が多数です(^_^;)から4WDじゃないと危険、走れないということはあり得ません。
そういう観点で4WDにするか否かを考えることも重要でしょう。
センターデフ方式フルタイム4WD
こちらはオフロード車になります。乗用車として購入するのはオススメしていません。本物志向という方だけに推薦できるタイプです。
雪道に強いか?と問われれば当然、強いです。ただし車重が重いタイプですので高速走行から停止する局面では中々止まれないということが難点になる可能性はあります。
・ランドクルーザー
・ランドクルーザープラド
・FJクルーザー
ランドクルーザーの現行車に関しては基本的に前輪40:後輪60という配分になっていると言われています。ただ路面状況によって更に電子制御でトルク配分を行っていますので単に常時フルタイム4WDという話にとどまる訳ではありません。
また多くの切り替えモードがあり、よりシステムは複雑に、操作はワンタッチに切り替え可能で、最も高性能な4WDシステムを持っているということが言えるかもしれませんね。ただ国産車では最強なのがランドクルーザーだと思います。弱点は小回りがきかないところです。
ただフルタイムで4輪駆動しているために燃費が非常に悪いです。乗用車として考えた場合にはここが問題になってくるでしょう。
・三菱パジェロ
最近は影が薄い三菱パジェロですがこちらも本格的なSUVです。
特徴としてはフルタイム4WDであり、パートタイム式4WDであるということ(^_^;)
説明するのはかなり厄介なのですが、「スーパーセレクト4WD-II」というものでフルタイム4WD時はセンターデフ式の4WD車になります。一方、パートタイム式4WDにも切り替えることができ、この時には2WDと4WD走行の切り替えができるようになります。
2重人格的な4WDがパジェロで通常の考え方ではどちらかの方式のみになります。こういう大きな枠での4WD方式を2つ搭載しているのは三菱パジェロのみです。
余り上手く説明できていないような気がしてなりませんが、公式HPでも説明がなされています。
・エスクード2.4(旧エスクード)
またセンターデフ式4WDは現行車では旧エスクードもそれに当たります。
日本車では今では数少ないFRベースの4WD車で”旧エスクード”と言っても今でも販売が継続されているモデルです。
本格的なクロカン車はランクル系以外は今ではほとんど無くなっていますが、旧世代の生き残りと言えばこのエスクード2.4でしょう(^_^;)
※旧エスクードは2017.11時点では生産終了しています
その他の4WDについて
スズキジムニー
本格的な4WD車と言われることが多い軽自動車のスズキジムニーについてです。
こちらはパートタイム式4WDと言われていて、切り替えが可能なタイプになっています。4WD時は常に4輪に駆動力が備わっていて本格的な4WDと言っても間違いありません。
ただ、雪道に強いか?と言われるとやや心許ないです。
特にアイスバーンを走るという局面においては本格的なオフロード車というイメージは除外して安全運転を心がけないといけないでしょう。
複雑な電子制御によってエンジン、ブレーキ等を制御している訳ではありませんし、車が滑るという予測をしている訳でもありません。端的に言ってアイスバーンでは弱い、ただし深雪等からの脱出は得意というタイプです。
アウトランダーPHEV
アウトランダーPHEVは電気自動車なのですが、こちらはツインモーター4WDでかなり特殊な車と言って良いかもしれません。パッシブ式(スタンバイ方式)とは言え、そもそもモーター式4WDで常にトルク配分を緻密に行っているタイプですので、副産物として4WD性能もかなり緻密でリアルタイムで状況を監視して、実際の走行を制御していると言って良いです。
ただしそんなに「雪道」には強くないそうです、無念。
結局何が良いやらSUV
最後は個人的な話になってしまいますが、雪が多いという地域ではやはり最低でもスタンバイ式4WDが良いと思います。軽自動車の4WDでも良いということですね。
ハマって動けないというのが一番悲しいことです(笑)
車が動けなくなって立ち往生した時の絶望感は精神的に堪えます(T_T)
また雪道を走っていて怖いなと思う場合は良くあります。FF車であれば当然そういったことは良くありますし、スタンバイ式4WDは基本的に走りだすとFF車と変わらないので、滑ってから対処する訳ですから正直、怖い局面も出てきます。
そういうのが嫌な方は電子制御のフルタイム4WD、現状ではスバルとマツダの4WDがオススメでしょう。センターデフ式の本格クロカンよりも実用的ですし、燃費も良いとところが魅力です。
大変長くなりましたので、これで終わります、最後までありがとうございました(_ _)
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